教育をしていると「知識を知っているかどうか」を聞きがちです。例えば、夕日を前に「空が赤くなるのはなんでかしってる?それはね…」というような。
もちろん知識を教えることも大事なのですが、近年の教育では「教えない」「答えを見つける手伝いをする」という手法も時には重要だ、とされています。
今日はエミリーキッズラボでの冬休みのお預かりの中から、その「教えない」の一例を紹介していきたいと思います!
3つのちからが身につく4つのアプローチを詳しく見てみる
今日の記事のポイント
・子ども自身の言葉で表現すること
・自分の答えがあっていいことを教える
・子ども自身の言葉で表現する
エミリーキッズラボでは冬休みは1回で完結するプログラムをやっています。この日は「インスタント雪で商品を考えよう!」というテーマで行いました。使ったのは、100均でも売っているフェイクスノーを作れる粉。
この粉は「吸水性ポリマー」と呼ばれている粉で、
・水分子を取り込んでゲル状にする
・自重の100倍から1000倍の水を吸収する
・圧力をかけても離水しにくい
という特徴を持っていますが、終始そのことは一切お話しません。
さて、粉を登場させたら粉に水を入れてみます。すると雪がむくむくとふくらんできて…
「わ、雪になった!」「おもしろいーもっと水を入れてみたい!」と感動している様子。こうしてインスタント雪体験に浸るうちにある一言が。
「つめたい!」
「そっか、じゃあこの粉はつめたくなるっていう特徴があるんだね。他にはどんな特徴があるんだろう?書き出してみようか!」と粉の分析タイムに入ります。すべて彼が実感し、言葉にしたものです。
書き出した粉の特徴。吸水性の他に冷たい、気持ちいいなどの感触が印象に残った模様
どうでしょうか?与えらえれた「水を取り込む粉」よりも、自分の実感に結び付いて「水がなくなる」という実感を得たと思いませんか?ポリマーを語るうえで、「冷たい」「気持ちいい」などは出てこない特徴ですが、彼の実感にはこのことも含まれています。
知識を与えるのではなく、自身の言葉で表現することでしっかりとポリマーの性質の実感が得られていったことが伝わったかと思います。
この実感こそが、学んでいく楽しみです。この楽しい実感があれば、子どもの中に粉への好奇心の種が眠ります。ポリマーの詳しい知識は、この体験といずれ結び付くタイミングがやってくるはずです。
・自分の答えがあっていいことを教える
最後に、この粉の特徴をいかしてどんな道具がつくれるか考えてみました。道具は人の役に立つ。人の気持ちになって考えることも子どもの視点を磨く大事な活動です。
彼が考えたのは、「つめたい」「きもちいい」という特徴が人の役に立つということ。そうすると、熱がでた時のクッションになるというアイディアが出ました。
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ポリマーの用途として有名なのは「おむつ」「保冷剤」ですが、そのことももちろん教えます。
しかし、このとき重要なのは「おむつをつくった人も、この粉の特徴をいかしておむつをつくったんだ。同じように、〇〇君もこの粉の特徴をいかして熱が出た時のクッションになるんじゃないか、と考えられたんだね」と評価してあげることです。
正解と照らし合わせるよりも、自分なりの答えを見つけること
自分なりの答えを見つけようとする姿勢が素晴らしい
と教えてあげることで、創造的な思考力や学びの主体性は育ちます。
★★★
私たちが子どもの頃は“答えを知っていること”が重要なことでしたが、今の時代は“答えを見つけられるかどうか”の方が大事な能力です(それはこのコロナ禍でも明らかだったと思います)。そしてこの社会での多くは、正解は1つではありません。
社会が大きく変化する中で、答えを見つけだす楽しみを知っている子どもを育て、自分の人生を切り拓いていってほしいとエミリーキッズラボは考えています。
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